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結石の治療薬

結石は場所や大きさによっては自覚症状がない人もいれば、七転八倒の痛みを繰り返す「疝痛発作」を生じる場合もある病気です。

痛みについての自覚症状がなかったり、あるいは鈍痛で済んでいる場合はまだ良いのですが、息ができないような痛みを感じる場合には「何とかこの痛みから逃れたい!」と切に願います。

ただ、痛みの発作があっても、24時間ずっと痛いわけではないので、結構多くの人が「一時的に痛みを逃して」病院に行ってない…ということもあるのが結石という病気。

忙しい現代人はなかなか病院に行く時間も取れないのが現実ですが、だったら結石を治療できる薬はないのか知りたいですよね。

そしてそれが市販であれば非常に嬉しいところ。では結石の治療薬というのは現在のトコロどうなっているのでしょうか?

結石の治療で用いられる薬について

冒頭でもお伝えしましたが、結石と言うのは場所や大きさによって激痛を伴うこともある病気です。

しかし…痛みがあっても、結石の治療の基本方針は多くの医師の間で「自然排石」というのが一般的なのです。

ですから、結石の治療に用いられる薬も通常は「痛みどめ=鎮痛剤」と「排石促進剤」、そして「尿量調整剤」が主流になります。

結石に伴う痛みへの対処

結石の痛みに対処するための薬

結石の痛みについて薬が処方される場合、鎮痛坐薬剤である「ボルタレン」や錠剤の「ロキソニン」、「カロナール」が処方されたりします(ただこれらの薬は飽くまで一時的な痛みを抑えるものなので、結石の激痛に対しては短時間しかもたないという声も多くあります)。

痛みの症状によっては、抗コリン作用を持つ鎮痙薬や、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)であるジクロフェナクナトリウムやインドメタシンの坐薬、ペンタゾシンなどの注射薬、あまりにも痛みが強い場合には麻酔薬が用いられることもあります。

自然排石を待つことになった患者さんで、痛みの程度がそれほど強くない(けれど痛くないわけではない)と言う人は、市販のロキソニンやバファリン、セデスなどを服用して痛みを緩和させているという人も多くいるようです。

病院で処方される結石の痛みへの対症薬(抗コリン系)としては次のようなものがあります。
以下の5つは成分はそれぞれ異なりますが、効果としては「尿路の拡張・排石の促進・痛みの緩和」が挙げられます。

セスデン
臭化チメピジウムを主成分とする薬
チアトン
臭化チキジウムを主成分とする薬
スパスメックス錠
塩化トロスピウムを主成分とする薬
ブスコパン
臭化ブチルスコポラミンを主成分とする薬
コスパノン錠
フロプロピオンを主成分とする薬

また、次に挙げるものは漢方ですが、結石に伴う痛みの緩和に用いられることの多い薬です。

芍薬甘草湯エキス細粒
芍薬甘草湯を主成分とし、腎結石や膀胱結石の痙攣痛を緩和することが期待できます。
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自然排石を促すために処方される薬

ウロルカン錠

ウロルカン錠の画像

自然排石の方針で結石を治療している人に最も多く処方されるのは「ウロルカン錠」の225mgです。

これは腎臓内や尿管にできた結石が大きくなることを抑制することと、結石を溶解させることに期待ができる薬です。
作用としては結石の抑制防止・溶解作用の他に、抗炎症作用や利尿作用もあるため、結石治療全般において効果が期待できるとも言えます。

ウロルカン錠の主な成分は「ウラジロガシエキス」で、名前の通り「ウラジロガシ」というブナ科コナラ属の常緑広葉樹の木から精製されます。

このウラジロガシについては、葉を乾燥させたものの細粒が漢方として薬局で売られていることもありますし、そのまま「お茶」としてドラッグストアで売られていたりもします。

お茶としては、漢方に近い味なので紅茶やほうじ茶のように「飲みやすい」お茶ではありませんが、やはり結石に効果があるということで人気は高くなっています。

さらにウラジロガシは低地~山地の尾根沿いや渓流沿いであったり、温暖湿潤な環境に生育する木であるので、山歩きが好きで、木の見分けがつくという人は、自分でウラジロガシの葉を採取してお茶として煎じて飲む人もいるようです。

ラシックス

ラシックスの画像

主な成分はフロセミドと言われるもので、尿の排出を促し、尿管の結石を外に出すことに効き目があります。

イソバイド

イソバイドの画像

イソソルビド内用液剤を主成分としている薬で、腎結石・尿管結石に対して尿量を増やすことで結石の自然排出を促します。

猪苓湯エキス細粒

猪苓湯エキス細粒

こちらは漢方薬で、猪苓湯が主成分です。

結石によって尿量が減っている時や尿の出が悪い時、また排尿痛や残尿感があるといった場合に処方されることが多いお薬です。

ロワチン

ロワチンの画像

α、β-ピネン、アネトール、シネオール、d-カンフェン、フェンコン、ボルネオールと言った成分を含む薬で、尿路結石の生成防止と排石に効果の高い薬です。

さらに炎症や疼痛の緩解といった作用も期待できます。

結石を溶かす市販薬はある?

結石については、その痛みを緩和するために利用できる鎮痛剤は、市販の鎮痛剤でも効果がある場合があります。

すでにご紹介した市販のロキソニンやバファリン、セデスなどはそうした鎮痛に一役買うこともあるのです。

しかし、現在のところ「結石を溶かします!」と明確に効果を謳って販売されている市販薬と言うのはありません。

先述したウラジロガシのお茶や、ウラジロガシの細粒を漢方にしたものなどは、結石に効果があるのではという期待をもって販売されたりもしていますが、実際の効果については個人差が大きいというのが正直な話です。

尿路結石の再発を防止できる薬はある?

強い痛みを経験し、治療によって結石とサヨウナラした人は、もう2度とあのような痛みを味わいたくない!と言います。

しかし、結石、特に腎結石などは再発率も低くないため、治療後は「結石を再発させない努力」が必要になります。

また、結石はその成分によって、再発防止の効果のある薬が異なってくるので、その点は注意が必要です。

ウラリット錠/ウラリット-U

ウラリットの画像

クエン酸製剤であるこの薬は、「尿酸結石・シスチン結石・カルシウム含有結石」などの結石の再発防止に用いられます。

クエン酸製剤と言うのは、尿をアルカリ化するものなので、酸性尿を改善することに期待が持てます。

ザイロリック錠/サロベール錠/アロシトール錠

ザイロリック錠の画像

高尿酸血症や高尿酸尿を伴う尿酸結石患者や、同じく高尿酸血症や高尿酸尿を伴うシュウ酸カルシウム結石患者に対しての結石再発防止に効果が期待できます。

チオラ錠

チオラ錠の画像

シスチン尿症におけるシスチン結石の発生予防および溶解に期待できる薬です。

服用には充分な飲水の指導が必要ですが、こうした指導があれば尿中のシスチン濃度を250mg/L以下に保つことや、また適正なアルカリ数値の尿に留めることが可能になります。

フルイトラン錠

フルイトラン錠の画像

こちらはサイアザイド系の利尿薬で、高カルシウム尿症に伴うカルシウム含有結石の再発防止に効果があります。

マグラックス錠

マグラックス錠の画像

マグネシウム製剤の薬であるマグラックス錠は、シュウ酸カルシウム結石の発生予防に役立ちます。

アルミゲル細粒

アルミゲル細粒の画像

乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒であるこの薬は、腎機能が低下している人への長期投与に注意が必要なものですが、効果としては尿中のリン排泄増加に伴う結石の発生予防が期待できます。

以上にご紹介した結石の再発予防薬については、いずれも注意事項があるものばかりなので、処方については医師と薬剤師にしっかり相談し、体調と体質に合わせて使用することが重要になります。

お薬と違ってサプリメントであれば、副作用もないですし手軽に健康習慣として続けていくことができます。

体に負担をかけないためにも、一度サプリメントの使用を検討してみてくださいね。