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たとえ痛くなくても血尿には要注意!

身体に尿路結石があるかどうかという判断基準の1つに「血尿」があります。

血尿は自分で気づく場合もありますが、実はあまりひどくない血尿の場合は、少しずつの症状が長く続いているのに気づかなかったり、さらに痛くないという自覚症状の薄さによって、健康診断で指摘されるまで全く分からなかったという人もいます。

今回は尿路結石と血尿についてとことんご紹介します。

また、尿路結石に罹患したことがある人は「血尿=尿路結石の再発だろう」という考えることが多いのですが、血尿と言っても尿路結石が原因で起こることばかりではないので、血尿が発生する他の病気についてもご紹介します。

尿は健康のバロメーターでものあるので、日々しっかりと観察して、快適な毎日を過ごしたいですね!

尿路結石と血尿の関係

尿路欠席と血尿の関係とは

冒頭でもお伝えしましたように、尿路結石と血尿というのは切っても切り離させないものなのですが、そもそもなぜ尿路結石で血尿が起こるのでしょうか?

尿路結石で血尿が起こる理由

尿路結石と言うのは「腎臓・尿管・膀胱・尿道」のいずれかに結石ができている状況を指すのですが、尿路結石で血尿が起こるのは、このいずれかの場所が結石によって傷ついている(損傷している)ためです。

結石はリン酸カルシウムやシュウ酸カルシウムが固まってできることが多く、さらに形もツルツルしたものよりトゲトゲした形状のものが多々見られます。
こうしたトゲトゲしたような結石は、どんなに小さくても腎臓や尿管・膀胱・尿路などを傷つけることがあるので、その傷から多少なりとも出血をしていまうのです。

ただ、やはり結石が小さいとか、トゲがあまり鋭敏でなければ、出血量も多くはないので、自分で血尿に気付くことは難しくなってしまいます。

尿路結石の痛みと血尿

結石の痛みと血尿の関係

尿路結石は痛みや尿の排出困難など、他の症状が特にないという場合も少なくないのですが、血尿についても「これは血尿だ!」と自覚できることが少ないのは、先にも述べた通りです。

尿路結石というのは、結石が小さい場合や、かつ滑らかな形状をしている場合にはあまり自覚症状がでることがない病気の1つなのですが、やはり痛みがないと人間はなかなか身体の不調には気が付きません。

尿路結石で痛みが発生するのは結石自体が腎臓→尿路へと移動をする時が多いのですが、ここで疝痛という結石独特の激しい痛み、もしくは腎臓結石などの鈍痛を感じることがなければ、少々の血尿を目視で判断することは難しくなります。

もし自分で血尿かどうかということに早めに気が付きたい!と思ったら、朝一番の尿の色をよ~く観察することをおススメします。

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尿路結石の血尿ではどんな色の尿が出るの?

尿路結石で血尿が出ている場合、その尿の色は「ちょっと濃い黄色」から「赤ワインのような色」までかなりの個人差があります。

もちろん出血量が多ければ多いほど尿の色は濃くなるのですが、やはり普段の食べ物によっても尿の色は変わるので、一概に「濃い色」だから血尿とも言えませんし、逆に「濃くない」から血尿が発生していないとも言えないのです。

先にもお伝えしたように、尿路結石での血尿は腎臓・尿管・膀胱・尿路などが結石によって傷つけられることで発生するのですが、この損傷が大きく、また出血量が多い場合は傾向として尿の色は血に染められて濃くなります。

血の量が多いと、あまり結石の痛みが強くない場合でもワイン色のような血尿が出ることもあります。

一方で、顕微鏡でヘモグロビンを確認しなければわからないような、通常の尿の色とほぼ変わらない血尿が出る場合も多くあり、こうなると目視で判断はできません。

さらに、漢方薬の「大黄」やビタミンのサプリを飲んだ後、さらに濃い色の食事を摂った後などの尿はやはりいつもより尿の色が濃くなるので、「これは血尿?!」と思っても血液は全く入っていないということもあるのです。

結石の患者さんが気づいた血尿で多いのは、朝一の尿の色が見て分かるほど濃かった!というもの。

これは赤ワイン色に近いものが出たという人で、痛みがあまりなかった場合、いきなりこの色の尿が出るととっても驚きますし、狼狽します。

特に結石は朝方に多くの尿と体内を移動することがあるので、

結石が動く→結石の通り道が傷つく→血尿になる

というメカニズムで朝の尿が濃い血の色になるようです。

この朝方の血尿は1日が進むにしたがって薄くなる(結石の移動が少なくなるので)のが一般的で、寝る前の尿は普段と同じ色になることもしばしばです。
(ただし夜中に再び結石が動き、翌朝の尿はまたも赤ワイン色ということもよくあります。)

顕微鏡検査でわかる血尿

血尿の顕微鏡画像

結石は腎臓で作られることが多く、それが移動することで痛みが発生したり血尿が発生したりします。

しかし、ここまで幾度かご紹介してきたように、自分の目で見てわかるような血尿がでることばかりではありません。

痛くない結石を抱えている多くの人は、勤め先の健康診断で「再検査」となり、精密検査をしてみて初めて自分に結石があることに気付く人もいます。

こうした自覚できない血尿を「顕微鏡的血尿」と呼ぶこともあり、このような血尿は尿を顕微鏡で観察して一定の範囲内にあるヘモグロビンの量を見て「血尿の程度」を判断します。

ちなみに、腎機能・血液検査・糖尿病・痛風・高血圧などによる「検査糸球体性血尿」で、腎機能が正常、さらに尿たんぱくが1日1g以下と言う時は尿検査で引っかかっても「経過観察」とされることがほとんどです。

健診で発見される顕微鏡的血尿のほとんどは治療を必要としないような糸球体性血尿なので、血尿で再検査!となっても極度に身構える必要はありません。

血尿で再検査を受ける場合

血尿で再検査になった

健康診断などで血尿を指摘され、再検査を受ける場合、先ずは健康診断時の血尿が一時的なものだったかどうかということで、再度検尿をします。
(女性の場合、生理の始まりかけや終わりかけで血が混じることもありますし、男女とも性交で陰部に傷がつき、それが尿に混じってしまうと可能性もありますからね)

再検査でやはり血尿が認められる時は、さらにCT内臓の状態を検査したり、膀胱へカメラを挿入して内部を診てみることをする場合もあります。

初めて血尿による身体の検査を受ける人は、血尿の程度に関わらず、腎臓・膀胱・尿道、そして男性の場合は前立腺の診察と検査を受けることになります。

血尿と尿路結石とその他の病気

尿路結石は血尿を伴う病気で、誰にとっても身近な病気の1つですが、血尿であるから尿路結石というわけではありません。

自分で判断できる血尿の場合も、顕微鏡的血尿の場合も、血尿は他の病気のサインであることも充分に考えられるのです。

尿の出方を観察しよう

尿の観察

血尿には「尿の出方」でいくつかの種類にわけることができます。

以下に「尿の出方と血尿」についてをご紹介します。

  1. 尿の出始めにだけ血が混じる場合
  2. 出始めの部分だけが血尿で、その後は通常の尿と変わらないという場合は、膀胱に溜まっていた尿には血が混じっていないということがほとんどです。
    つまり、この場合には膀胱よりも下部の尿道や前立腺(男性の場合)からの出血と考えられます。

  3. 排尿される全ての尿が血尿である場合
  4. 出始めから終わりまでほど濃度が変わらない血尿が出る場合は、膀胱に溜められる尿に血が混じっているということが考えられます。
    よって、膀胱よりも上部の腎臓や尿管、そして膀胱自身のいずれかに出血をしてしまうような何らかの異常があると考えられます。

  5. 終わりかけの尿に血が混じる場合
  6. 排尿時の最後だけ血尿になるというのは、腎臓~膀胱に至るまでには異常がないという証拠になります。
    ですから、この場合に異常が考えられるのは膀胱か尿道になります。

以上の3つの場合において、それぞれ考えられるのは

  1. 尿の出始めにだけ血が混じる場合…尿道炎・尿道カンクル・外傷(腹部への一時的な圧力=腹部を強く打つなど)
  2. 排尿される全ての尿が血尿である場合…膀胱炎をこじらせた腎盂腎炎・尿路結石・腎臓腫瘍・膀胱腫瘍
  3. 終わりかけの尿に血が混じる場合…膀胱炎・初期の膀胱腫瘍

血尿から考えられる病気色々

血尿を引き起こす結石以外の病気

一度尿路結石になって、しかもそれが痛みを伴っていたとしても自然排石で治癒してしまった人は、血尿があっても「また結石かな~」と考えがちです。

しかし、血尿が発生する病気は何も尿路結石だけではないので、ここでは血尿が見られる病気で、代表的なものをご紹介します。

がん
膀胱がん、腎がん、腎盂・尿管がん、前立腺がんの場合には顕微病的血尿あるいは肉眼でわかる血尿のどちらも起こりえます。
腎炎・IgA腎症
タンパク尿を伴いやすい病気なので、血尿と共にタンパク尿を指摘されたら一考すべき病気になります。
尿路感染症
白血球の混入を伴うことがほとんどです。膀胱炎でも同じような尿になることが多いですね。

女性の場合には膣上皮や膣分泌物の混入もあり得るので緻密な顕微鏡的検査が必要です。

※他に血尿で考えらるものには、激しい運動をする人に多い「運動性血尿」や、ワーファリンなどの服用中に起こる「薬剤性血尿」などもあります。
いずれも経過観察をすることが多いのですが、やはり血尿を指摘されたらor自覚したら、1度は泌尿器科でしっかりと診察を受けることが大切です。

また、医療機関に頼り切るのではなく、自分でしっかりと普段の日常生活から結石ができないように対策を行っていくことも非常に大切です。

サプリメントなら、手軽に飲めて結石のリスクを排除してくれるので、本当にオススメですよ!

一度は絶対にチェックしてみてくださいね。