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膀胱結石のツライ症状

尿路結石の中の1つ、膀胱結石は体内にある「尿路」のうち、膀胱に石ができてしまうものを指しているわけですが、膀胱にいきなり石が出来るものは実は割合としてそこまで多くありません。

ですから、例えば直接「膀胱を労わる」というような予防をしても、あまり功を奏さないこともあるのです。

では、膀胱結石とはそもそも何が原因で起き、そして膀胱に結石が出来ないようにするには、どのような方法をとれば有効なのでしょうか。

膀胱結石は「他の病気」のサインになる?

膀胱結石は病気のサイン

膀胱結石の多くは、腎臓でできた石が膀胱に下りてくるものと言われています。

稀に膀胱に直接できるものもありますが、割合としては多くありません。

膀胱に結石ができてしまうと、膀胱の出口から尿道にかけ、尿の流れを悪くするので、排尿後も尿が膀胱に残ってしまい、石を大きくすることもあります。

また、膀胱結石の95%がナント男性にできるとされていて、通常は尿路感染症・膀胱憩室症・神経因性膀胱・前立腺肥大などなど、泌尿器の他の病気の結果として膀胱結石になることが多いと言われています。

以下に、膀胱結石と関わりの深い4つの病気について、概要をご紹介します。

尿路感染症

尿路感染症とは、腎臓・膀胱・尿道・前立腺・精巣・精巣上体といった「尿の通り道」に起きる感染症を指します。
感染症は、炎症の起きている場所により、「膀胱炎」「尿道炎」「前立腺炎」というふうに名前が変わります。

主な原因は、尿の出口から細菌が逆行してしまうことです。

膀胱結石などは、感染を引き起こしやすい原因になることが多く、こうした「感染の背景」が見られる尿路感染症を「複雑性尿路感染症」と言います。
一方、感染を引き起こす背景が見当たらないものを「単純性尿路感染症」と呼びます。

上記のように、膀胱結石は、尿の出口や通路で尿の通りを妨げるために、細菌を増殖させやすく、こうした感染症を引き起こしやすくしてしまうのです。

膀胱憩室症

膀胱憩室症の画像

膀胱憩室症とは、端的に表すと、「膀胱の一部が膀胱外に突出したもの」と言えます。

この膀胱外に突出したものを「憩室」と呼ぶのでが、これは通常はスムーズに流れる「膀胱から尿道口まで」に「何らかの通過障害」がある場合、膀胱壁の圧力に弱い部分が高まった圧力に耐え切れず突出することで起こってしまうのです。

膀胱結石は、この憩室ができてしまう「膀胱から尿道口」までの流れを塞いでしまうことになりやすいため、膀胱の圧を上げる原因になってしまうのですね。

膀胱内の圧が上がるのには、膀胱結石の他にも、この先でご紹介する前立腺肥大症や神経因性膀胱などの病気も原因となることがあります。

神経因性膀胱

神経因性膀胱という言葉だけを見ると、精神的なものからくる病気に思われることもありますが、それは違います。

神経因性膀胱とは、膀胱に尿が溜まったことを大脳に知らせる神経の一部が生涯を起こしている排尿障害のことを指しています。

排尿をコントロールしているのは大脳・脊髄・末梢神経ですが、こうした神経系の一部に障害が起こりやすいのは、大脳では認知症やパーキンソン氏病、脳卒中、脳髄膜炎、頭部外傷などが挙げられます。

脳と脊髄については、多発性硬化症や脊髄小脳変性症などが、さらに脊髄に関しては脊髄損傷、二分脊椎、脊椎炎が挙がります。

さらに末梢神経の障害には、糖尿病性神経症や腰椎椎間板ヘルニア、子宮がん、大腸がんも挙がってくるのです。

膀胱結石があると、排尿障害が起こりやすく、そのために膀胱には常に残尿がある状態になることもあります。

しかし、神経因性膀胱だと、膀胱に残った尿のための「尿意」を大脳がキャッチできず、結石を繰り返したり、自然排石が難しいほどに大きくしてしまうことがあるのですね。

前立腺肥大

前立腺肥大の画像

80歳男性ではなんと約9割の人に見られるという前立腺肥大は、50歳代ではまだ30%程度ですが、60歳代で60%を超えるようになる、男性には身近な病気です。

ただ、9割の人がそうであっても、みんながみんな治療を必要とするほどかというとそうではありません。

前立腺肥大と、排尿に関する症状を併発していて、治療を必要とする人は、世代のなかの前立腺肥大の約4分の1程度と言われています。

前立腺肥大には、有名な「排尿症状」がいくつかあります。1つは排尿困難、さらに1つは蓄尿症状、そして最後の1つの排尿後症状です。

こうした排尿にかかる症状によって、スムーズな排尿ができなくなるために、腎臓や膀胱に負担がかかりやすくなり、結果膀胱結石になることが増えるとされています。

尿路の通過障害というのは、膀胱内に異物をとどめ置きやすくなり、膀胱結石もできやすい環境が整ってしまうのですね。

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膀胱結石の原因とは?

膀胱結石は、その多くが腎臓でできた結石が膀胱に下ってくることで「膀胱結石」となります。

少数として、膀胱内原発の結石もあります。

さて、腎結石由来のものでも、膀胱内原発のものでも、前項にご紹介したような病気によって、膀胱の出口から尿道にかけての「尿の排出」に問題がある場合や「尿の通過障害」がある場合に、膀胱内の結石が大きくなりやすくなります。

また、慢性的な膀胱炎を繰り返している人も、尿路感染症由来の膀胱結石(こちらは膀胱内原発のもの)になりやすくなっています。

こうした身体のトラブル系の原因の他に、水分不足による尿の濃度の上昇や、欧米化した食事による尿の含有物のバランスが膀胱結石を引き起こしたり、大きく育ててしまったりすることが考えられています。

膀胱結石を防ぐ方法とは?

膀胱結石を防ぐためにできること

膀胱結石を防ぐ方法として、泌尿器科の医師などがよく掲げるポイントには2つのものがあります。

その2つとは「水分摂取」と「食事のバランス」です。

どちらも健康な体を維持するために当たり前のことですが、膀胱結石の予防には、この2つのポイントの中に、さらに抑えておきたい重点があります。

それではその重点をご紹介しつつ、上手に膀胱結石を予防する方法をお伝えします。

膀胱結石を予防する「水分の摂り方」とは

膀胱結石を予防する水分の摂り方とは

膀胱結石に関わらず、尿路結石の形成予防に最も重要なのは「1日の尿量を増やすこと」です。

摂取の目安は1日約2リットル以上の水分摂取。

これは「水」を飲まなければいけないというわけではなく、水分であればOKなので、水・お茶(麦茶やほうじ茶)を中心に、紅茶やコーヒーもちょっとずつ含めつつ、自分に合った方法で続けることを目標にしましょう。

ただ、やはり量が多くなるので、カフェインを含むコーヒーや紅茶、緑茶などは大量に摂取しないように気を付けてくださいね。
さらに、たしなむ程度のアルコールは身体に毒ではありませんが、「水分」としてアルコールを含めるのはNGです。

アルコールは摂取することで排尿しやすくはなるのですが、摂取する水分が間に合わなければ「排出する水分>摂取する水分」となり、逆に体内は水分不足に陥りますからね。

そして、こちらも少しの量を摂ることも禁止!とは言いませんが、清涼飲料水や甘味飲料水に「水分補給」の一役を担わせるのは糖分の過剰摂取になり、身体に毒ですから気を付けましょう。

※水分摂取で気を付けたい「重点ポイント」

上記では、紅茶やコーヒーの摂取も少しくらいはOKとしました。
これは、日頃ほとんど水分を摂らなかった人が、いきなり2リットルの水分摂取を目指すと、辛くて続かないためです。

しかし、本音を言えば、膀胱結石を予防するためには、お水かお茶(麦茶・ほうじ茶)を中心とした水分摂取がベスト。

なぜなら、コーヒーは尿の中に「尿酸の排泄」を、紅茶は「シュウ酸の排泄」を増やしてしまうからです。

尿酸やシュウ酸というのは、結石の材料となる物質です。
これらの物質が尿中に多量に排出されると、その分、結石を形成する可能性が高くなることになりますからね、要注意なのです。

また、清涼飲料水や甘味飲料水は、多くの糖分を含んでいるので、尿中へのカルシウム排出を増やしてしまいます。
もちろんカルシウムも結石の材料になるものなので、こうした働きをしてしまう飲み物を大量に摂ることは、膀胱結石予防としてはNGになるのです!

膀胱結石を予防する「バランスの良い食事」とは

水分摂取の部分で、少しだけ「尿酸」や「シュウ酸」について触れましたが、膀胱結石を予防する食事で大切なのは、何よりこの「尿酸」「シュウ酸」を摂りすぎないということに尽きます。

ではどのような食事や食材に気を付けると、膀胱結石を防げるのでしょうか?

過剰摂取に気を付けたいもの

シュウ酸の多い食べ物
ホウレンソウ、タケノコと言った、一般的に灰汁が強い食べ物、チョコレート、紅茶など
尿酸の多い食べ物
プリン体の多い食べ物=尿酸が多くなると考えて良い。代表的なものはビールなどのアルコール類や、レバー、マグロ、鮟肝、青魚の干物など。

尿酸が多くなる食べ物は一般的に「美味しいもの」であることが多いですね。

日本料理に欠かせない「出汁」もプリン体を多く含むことで有名ですよね。

  • 砂糖の過剰摂取:砂糖はカルシウムの排泄を増加させるので、できるだけ控えるようにした方が無難です。
  • 塩分:塩分の取りすぎも尿中へのカルシウム排泄を増加させます。
  • 動物性タンパク質の摂り過ぎ:プリン体が多いもののなかには、動物性タンパク質のものも多いですよね。
  • しかし、動物性タンパク質の摂りすぎの怖さはプリン体の量だけでなく、実は尿中へのシュウ酸・尿酸・カルシウム排泄を増やすこともあるのです。

プリン体を多く含む動物性タンパク質には美味しいものがもちろんたくさんありますが、これらの過剰摂取を控えることは、膀胱結石の予防だけでなく、生活習慣病の予防にも繋がりますので、健康体をゲットするためにもぜひ実践していただきたいと思います。

膀胱結石予防のために摂取をおススメするもの

  • クエン酸を多く含むもの:柑橘系の果物などに多く含まれるもので、尿中においてカルシウムが結石化するのを防いでくれます。
  • 食物繊維やマグネシウムを含むもの:食物繊維はゴボウやレタスなどに多く含まれており、マグネシウムは野菜や海藻に多く含まれます。
    どちらも結石を形成するのを防ぐ役割がある大切な成分です。
  • 適度なカルシウム:実はカルシウムは、結石の材料になるだけでなく、適度に摂取すると、尿中へのシュウ酸の排泄を防ぐ効果があることが分かってきたのです!
    そもそも日本人はカルシウム摂取量が不足しているので、適量を摂取することを心がけましょう。

ここまで、膀胱結石を防ぐための食事についてご紹介しましたが、もっと細かく言うと、夕食から就寝までの間隔を4時間以上空けた方が良いとか、適度な運動をすることが大切などと言う点もあります。

さらに、上でご紹介した以外にも、ビタミンCは、体内の代謝でシュウ酸を生成するので、適度な摂取はもちろん大切ですが、サプリ等で過剰に摂取することは控えた方が良いでしょう。
日焼けの時期になると、シミやソバカス対策にサプリのビタミンCを摂取する人も多いと思いますので、摂取量には注意をしましょう。

結石対策に特化した成分が配合されたサプリメントもあるので、一度試してみることをオススメします。