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結石の痛みは身体の背面に出やすいのが特徴

結石に罹患したことがある人の多くは「あんな痛みは二度と経験したくない!」と口をそろえます。

結石は石の場所によって痛みの感じ方や強さが変わってくるので、一言で「結石」と言っても、実はその痛みは色々と種類があります。

また、この辺りが痛いのは結石だよな?と高を括っていると実は結石でない病気が潜んでいた…ということもあり得ます!

今回は結石の痛みの特徴と、結石で痛む場所と同じような場所が痛む別の病気についてもご紹介します。

結石の痛みにも種類がある

体内にできる石状のものについて「結石」とまとめて言うことは多くありますが、その種類は様々で、胆石と呼ばれるものから種々の尿路結石まで幅広く存在します。

大きく分けると胆石と尿路結石では出てくる症状や痛みが少し異なります。
尿路結石については、上部尿路結石と下部尿路結石で痛みの出方は異なる場合がよくあります。

では、それぞれの結石について、痛みはどのような感じで出てくるのでしょうか?

胆石の痛み

胆石の画像

一般的に胆石では右季肋部(みぎきろくぶ=右のみぞおち)の痛みと発熱、黄疸といった3つの症状が代表的な症状になります。

肝内結石の場合は何かの機会で「肝内結石だった!」とたまたまわかるまで無症状で過ごす人もいます。

しかし、胆石に罹患した7~8割の人は、痛みの強弱は違えど右季肋部に痛みを感じるということです。

胆石の痛みの様子

胆石の痛み方

この痛みは、酷い肩凝りと感じる人もいれば、重い荷物が背中~肩にかけて乗っている感じがするという人がいたり、刃物で突かれたような鋭痛を感じる人もいます。

痛みを感じる場所も、右季肋部というのはちょうど肝臓がある場所に近いところなのですが、その場所以外にも右の肩甲骨や腰が痛いという人もいます。

痛みと共にある「発熱」

胆石による発熱

胆石の痛みには「発熱」が伴うという特徴があります。

これは胆嚢内の胆汁の流れが停滞することで、身体が細菌に感染してしまうので熱が出るのです。
この細菌感染が進行すると、胆嚢や胆管に炎症が起き、38度を超える高熱が出ることも珍しくありません。

胆石と黄疸の関係

胆石では、胆道内に結石が詰まることで胆汁の流れを停滞させてしまうことがしばしば起こります。
こうなると肌や白目が黄色くなるのですが、白目の黄疸は、自然光の下では自分でも気が付くことができます。

黄疸が出ると、肌がカサカサしてくるという人もいるので、自分の右季肋部が重痛い感じがしてどうも白目が黄色い感じがする…という時は早めに泌尿器科か内科を受診してください。

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尿路結石の痛み

尿路結石には腎臓や尿管に結石のできる「上部尿路結石」と膀胱や尿道に結石のできる「下部尿路結石」がありますが、この上部と下部では少しだけ痛みの出方が異なってきます。

上部尿路結石の痛みの様子

上部尿路結石の痛みとは

腎臓や尿管に結石ができている状態の上部尿路結石は、結石が腎臓内にあって、さらにあまり大きさが大きくないという時は、あまり痛みを感じないことも少なくありません。
特に腎臓でも腎杯に結石ができている時は、症状は皆無という人の方が多いですね。

同じ腎臓内の腎盂に結石がある場合も、痛みがあっても「鈍痛」とか、腰~背中にかけてがちょっと重い感じがする…程度に収まることがほとんどです。

ですから、腎臓結石は定期健診などの「何かの機会」で見つかることがほとんどになっています。

しかし、結石が腎臓から尿管に移動すると、痛みには急激に強くなり、激しい腹痛と血尿といった症状が起きてきます。

尿管に届いてしまった結石は、石が尿管に詰まることで尿流を阻止し、この瞬間に激痛を起こします。
この痛みは人によって七転八倒の痛みとも言われていて、痛みによって顔面蒼白になるとか、嘔吐をすることも珍しい事ではありません。

こうした痛みは、結石がある場所から下方向へ向かって広がるのが特徴と言われており、男性の場合は鼠径部や陰嚢、助成では外陰部が痛くなるということもよくあります。

下部尿路結石の痛みの様子

下部尿路結石の痛みとは

下部尿路である膀胱や尿道に結石がある場合は、尿管結石ほどの痛みを感じることは少ないと言われていますが、排尿時に刺すような痛みを感じたり、残尿感を強く感じるのが特徴です。

膀胱に結石が「あるだけ」では実際には特に痛みを感じることはありません。
膀胱に結石がある場合には、排尿時に痛みを感じるのです。
また、頻繁にトイレに行きたくなるとか、尿の色が濁る、強い残尿感があるというのが下部尿路結石の特徴になります。

尿路結石と尿の様子

尿路けせきでは、上部尿路結石・下部尿路結石いずれの場合にも「尿」に何らかの異変があります。
(本人が気づかないほどの小さい異変のこともあるのですが)

腎結石では、尿の色がやや濃い(オレンジ色に近い)というが特徴ですが、濃い尿と言うのは誰しも朝の尿がそのような感じなので、気に留めないことも多くあります。

これが尿管結石になると、尿の色は明らかに濃い(血尿なので、濁っている)色になるので、当人も「何かおかしいな」とわかるようになります。
何より尿管結石は強い痛みを伴うので、その痛みと血尿により、本人も身体の異常を感じることができます。

結石が小さく、尿管を過ぎて膀胱や尿道に移動した場合は、石が尿管にいた時のような痛みは収まりますが、血尿は続きます。
ただ、下部尿路結石の血尿は膀胱や尿道を傷つけた時の血尿なので、尿管結石ほど濃い血尿ではなくなることも多くなります。

移動する痛みも結石が原因なの?

尿路結石の場合、ずっと結石が1つ場所に留まることは少ないと言えます。

多くの場合で、腎結石は尿管→膀胱→尿道→排出と言う形で体外へ排出されるのが通常です。

結石が小さい場合(5~6mm)は、泌尿器科の医師も積極的に結石を破砕する方法で治療する…というより自然排石を待つことが多いので、患者としては痛みに耐えつつ結石が移動するのを待つことになります。

こうなると、結石の痛みは尿管の激しい痛みの後、膀胱へ下りチクチクとした痛みに変わります。

結石の痛みは、結石そのものの凹凸が尿管や膀胱などの壁に擦れる痛みと、尿の流れを阻害する痛みがあり、前者は結石が排出されるのが近くなるほど痛みも小さくなります。

後者はそれほど激しい痛みにはなりませんが、結石が排出されるまで継続して痛みがあることが多いようです。

尿路結石を自然排石で治そうとすると、その痛みは「結石分娩」と言われることもあり、特に尿管から膀胱へ結石が移動する際の痛みは、実際に出産を経験した女性でも「死ぬ思いだった」と言うほどです。

こうした「結石分娩」によって、尿管から膀胱へ無事に結石が下りてくると、尿管に結石があった際に感じていた激しい痛みはウソのように大人しくなります。
膀胱内にまで結石が移動すれば、あとは自然に排出されるのを待つだけですが、まれに膀胱内で結石が成長することもあります。

こうなると、ESWLなどで一旦破砕してなお自然排石を待つということになる場合もあります。

実は結石ではない?注意したい結石とよく似た痛みとは?

結石だと思ったら違う痛みだった

結石は病気における3大痛の1つとも言われるほどの痛みと表現されるのですが(ちなみに残りの病気は心筋梗塞とくも膜下出血です)、自己判断で「これは結石の痛み」と思い込んでいると、実は恐ろしい病気が隠れていた…ということもあります。

特に1度結石になったことがある人は、「あ、この痛みは結石だな」と言って、相当痛みが強くならないと、自分で自然排石を待って病院に行かない場合もあるのです。

しかし、いくら結石の痛みと似ていても、自分で判断をするのは危険なこと。
結石で感じるような痛みがあった場合は、自分で勝手に「結石だ」と判断せず、きちんと医師の診断を仰ぎましょう。

結石の痛みと似ている病気

肝内結石でも、尿路結石でも挙げられる痛みの1つに「背中の痛み」があります。

ただ、この背中の痛みには、結石だけではない病気が隠れていることも珍しくないので、背中が(筋肉痛などの原因がはっきりしている痛み以外で)痛むな、という時は、まずは内科か消化器科に受診に行ってみてください。

背中の痛みで気を付ける病気

背中の痛み

左右どちらかに限定した背中の痛みと38度前後の高熱が伴う時は、急性腎盂腎炎の可能性があります。
泌尿器科系の病気で背中が痛むときは、背中の痛みがある側(右or左)を叩くと激しい痛みがあるので、もしそうした痛みが出るようであれば泌尿器科に診察に行くと良いでしょう。

痛みがある場所を叩いて気持ちが良いという時は、内臓疾患というより整形外科的な痛みということが多いようなので、こうした時は内科や泌尿器科ではなく整形外科を訪ねるのが良いでしょう。

他に、背中が痛むのは消化器官に疾患がある時です。

ただ胃が荒れていることもありますが、胃潰瘍や十二指腸潰瘍でも背中が痛むのは珍しくありませんので、背中は痛いけど血尿は見られないという時は、消化器科か内科に受診に行くと良いかもしれません。

排尿時の痛みで気を付ける病気

尿道に結石があったり、膀胱に結石がある場合、排尿時にチクチクと痛みが出ることは稀ではありません。

しかし、これが女性の場合だと、結石と言うより急性膀胱炎の場合が多くなります。
通常、膀胱炎では排尿の終わり頃に痛みを訴えるケースが多く、さらに血尿や強い残尿感や頻尿もあります。

これらの症状は膀胱・尿道結石でも見られるので、こうした結石に罹患したことがある人は、膀胱炎の症状を結石の症状と勘違いしてしまうことが多いようです。

膀胱炎も悪化するとその細菌が上部尿路に入り込んで腎盂腎炎になることもあるので、排尿時に痛みがある場合は、勝手に結石と決めつけずに泌尿器科を受診することが大切です。

尿が出ない時に気を付ける病気

尿が出ないときには注意

膀胱結石や尿道結石でも、結石によって尿流が阻害され、尿が出ないということが起こることはあります。

しかし尿が出ない状態が続いて下腹部がパンパンに張り、痛みを伴い始めたらすぐに泌尿器科を受診してください。

こうした場合は、男性なら前立腺肥大、男性でも女性でも尿道狭窄の可能性が否定できません。
稀に閉尿が前立腺がんや膀胱腫瘍、神経因性膀胱といった病気を原因とする場合もあるので、とにかく尿が出ないという異常時には緊急で泌尿器科を受診しましょう。

結石は非常に強い痛みが特徴ですが、結石を体外に排出した後も油断してしまうとまた再発して痛い思いをすることになります。

サプリメントを活用すれば、手軽に結石の再発リスクを排除できるのでまずは手に取って試してみてくださいね。